伯耆大山  東壁本沢 滑降&槍尾根 滑降 

【日 時】 2006年 4月9日(日)
【コース】 環状道路鍵掛峠登山口〜キリン峠1405mピーク〜地獄谷振子沢出合〜振子沢〜振子沢の頭(1636mピーク)〜天狗ヶ峰〜
      槍ヶ峰と天狗ヶ峰の鞍部〜地獄谷本沢滑降〜振子沢出合〜キリン峠1405mピーク〜槍尾根鉄柱〜槍尾根滑降(木谷)〜鍵掛峠登山口
【天 気】 曇りのち晴れ
【メンバー】 野人、  もりちゃん(振子沢滑降)
【装 備】 野人 ダイナスター・LEGEND 4800 165cm、フリッチ・ディアミール エキスプローラ、ガルモント・Gライドg−fit


振子沢を登る
今シーズン最後になると思われる大山山スキー。条件次第では課題だった東壁の地獄谷本沢にアタックするつもりで前夜、倉敷を出発した。夜11時に営業を終了した奥大山スキー場の駐車場に到着。振子沢滑降のもりちゃんと12時まで酒を飲み就寝。

朝5時起床。朝食を食べ、環状道路鍵掛峠登山口に車で移動する。準備をしていると続々と山スキーヤーや登山者の車がやって来る。さすがにこの時期は賑やかだ。

6時出発、木谷のブナ林をシールで登る。前日までのトレースでいっぱいだ。
条件次第ではキリン沢を滑って地獄谷に下りようと、鳥越峠には向かわず直接キリン峠1405mピークへ登った。しかし、キリン沢はクラックと落石がひどくパートナーが難色を示すので尾根をトラーバース気味に滑って途中から枝沢を滑り下りると地獄谷の振子沢出合に丁度上手い事出れた。


振子沢を見下ろす

9時30分、振子沢の頭(1636mピーク)到着。

振子沢下部は相変らず側壁からいくらか石が転がっていたが、上部は落石も無く充分な積雪量でまだ当分の間は滑れそうだ。

パートナーは途中でスキーを背負ったが、快適なザラメ雪でシールで問題なく源頭の1636mピークまで登れた。

稜線 ユートピア方面
稜線は雪が無かったので、昨日の強風で砂が飛ばされ真っ黒になっていた。昨日は倉敷でも黄砂で霞んで激しかったが、北壁の砂塵とそれの両方だろう。

縦走路を登る
10時15分、振子沢の頭出発。

振子沢の頭の直下の、縦走路を少し進んだ位置から地獄谷本沢へシュプールがあった。
振子沢の頭からは滑降予定の天狗ヶ峰と槍ヶ峰の鞍部の斜面は絶壁に見えて自分には無理にも思えたが、今日は雪質もベストなので「行くだけ行って考えよう」と縦走路を登る。

振子沢を滑るパートナーとはここで別れて、以後の連絡はアマチュア無線で取り、振子沢出合で合流予定とする。

天狗ヶ峰と槍ヶ峰 の鞍部
低い場所から見上げると壁に見える斜面も近づくとそれ程でもなく、
この地点まで登るといけそうに思えてきた。

斜度は40度位か。

稜線にはほとんど雪が無くキックステップも良く利くので、ピッケルは持ったがアイゼンは付けずに縦走路を登ったが、一部氷化した部分があって緊張した。
それと兼用靴でのガレ場の歩行はバランスが取り難く辛い。
北壁側は上の写真のように落ちればアウトだ。

槍ヶ峰と烏ヶ山
天狗ヶ峰からの槍尾根の下りのガレ場が、スキー滑降よりも怖かった。
 大山最高峰「剣ヶ峰」

 一昨年滑った南壁「三の沢」のドロップ地点

 今回の東壁「本沢」のドロップ地点とは、ほぼ尾根の裏側。
 槍尾根鞍部から本沢を俯瞰する。
11時、本沢ドロップ。
 振子沢の頭から、もりちゃんが写してくれました。
 振子沢の頭のもりちゃんと広島の山スキーヤー達
 雪質は適度なザラメでベストな条件だった。
少し斜度が緩んだところで振返った。
再び斜度が増して、落石地獄になる。

振子沢の頭直下からのシュプールと合流。

石を避けながら避けきれず、そうこうしている時にも落石があり板にコンコン当たる。幸い小石ばかりなのでダメージは無いが、時折「カラカラ」と勢いよくデカイのが転がって来るので背後の音に気を配る。

板が可哀相なので一部外してつぼ足で下るが、雪が腐ってズボズボ嵌る。
中俣尾根の取り付き近くまで下って振返る。
 壁沢左岸稜の「軍艦岩」 これは特徴的だった。
振子沢出合近くにて振返る


11時15分、振子沢出合到着。

しばらく休憩、待っていると振子沢からもりちゃんが滑って来た。
シールを付けて、キリン峠に登り返す。

11時40分、振子沢出合出発。
稜線へは雪が腐りきって、今回も登り返しには難儀した。
12時40分、キリン峠1405mピーク到着。
もりちゃんはここか木谷をそのまま滑って行った。

私は槍尾根の鉄柱まで登って滑る。
以前、怖くて鉄柱からクライムダウンして少し下から滑って心残りだった。
今日の雪質なら怖くない。

13時、キリン峠1405mピーク出発。
スキーを背負い、ピッケルを持って鉄柱まで登る。
槍尾根鉄柱、13時45分。
キリン峠と烏ヶ山
ドロップ

雪は腐りきっていた。
湿雪スラフがズルズル落ちる。
ここも落石も多くて、思うように滑れず楽しくなかった。
振返る。

この先、左よりに滑り、文珠越から木谷を滑って、
14時15分、環状道路鍵掛峠登山口に到着。

今シーズンの大山スキーは完結した。
今日はとても充実した一日だった。

カシミール3Dによる本沢と槍尾根 滑降のGPS軌跡



本日、野田ヶ山に行っていた「髭じじーさん」が偶然写していてくれました。



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