三瓶山 山スキー   男三瓶 南ルンゼ (ツバクロ谷) 三瓶山火口壁滑降

【日 時】 2008年 3月2日(日)
【コース】 西ノ原〜正面登山道尾根〜男三瓶頂上〜南ルンゼ左俣滑降〜1030m付近 登り返し〜南ルンゼ右俣滑降
       男三瓶〜1073m標高点〜南西方向の沢 滑降〜扇沢合流〜西ノ原
【天 気】 晴れ
【メンバー】 いけしゅん、もりちゃん、野人
【装 備】 いけしゅん バンディットB3・176cm、フリッチ・ディアミール エキスプローラ、ガルモント・アドレナリン
        もりちゃん K2・サミット 160cm、DYNAFIT TLT、DYNAFIT TLT700

       野人     ダイナスター・LEGEND 4800 165cm、フリッチ・ディアミール エキスプローラ、ガルモント・Gライドg−fit

樹木が生い茂る三瓶山の火口壁に一箇所だけ例外がある。主峰男三瓶の山頂部から崩壊した大きなルンゼが火口の室の内池にかけて切れ落ちている。
北九州山岳同好会「嵐」のHPで南ルンゼ(仮称)として登攀記録が紹介され、ここを滑る事は出来ないかと気になっていた。

1982年発行の山と渓谷社のガイド本「諸国名山案内 近畿・中国・四国」の三瓶のページを読み返していて、「ツバクロ谷」というのがこのルンゼを指しているのではないかと思ったが、「男三瓶 南ルンゼ」としてここでは記述します。

雪が少なかった昨年の様な年は絶対無理だったろうが、雪の多い今年なら滑れるのではないかとここに来てチャンスを伺っていた。
先日、麓の東ノ原のスキー場の積雪が1mに達した。晴天が重なったこの日曜日、チャンス到来だ!

7時30分 西ノ原出発


積雪30cm程しかなくてかなりショック。反対の東ノ原の半分も無いではないか・・・
中国山地の脊梁の山に比べて、三瓶の積雪量は少ないですね。 何故?


雪質は既にザラメ化して、この僅雪に、雪崩の心配も薄らぐ。
正面登山道の尾根は猛ブッシュに悩まされる。シールでジグを切るにもルートが選べない。
脱いでつぼ足になってみても、モナカ雪でズボズボ。スキーは枝に引っかかって動けない。

このブッシュおまけにトゲトゲが多い。有刺鉄線を潜っているのか?
こんなに棘を潜り抜けるのは初体験だ。
これには時間を費やされてしまった。
9時 やっと樹林を抜ける

クラストしてシール歩行は緊張する。
私以外の2人はアイゼン歩行に切り替えた。



下から見たよりも雪付きは良くて、
この調子ならなんとか滑れそう。
私はスキーのまま、クトー兼用で何とか登れたが、

失敗すれば大滑落の危険があったのは正直なところ・・
10時15分 男三瓶頂上台地に登り上げる
頂上の標柱が見えてきた

 火口壁 南ルンゼ 全容   男三瓶(ツバクロ谷)  室ノ内池(三瓶山火口)

頂上火口壁際まで行く。南ルンゼはイメージしていたより斜度は緩く、これなら迷い無くドロップできる。
せっかくなので急な左俣(向かって右)を滑ろう。
南ルンゼ 左俣
南ルンゼ 右俣
室ノ内池
10時30分 全員集合して山頂で記念撮影



風が強いので避難小屋で休む事にする。
しかし、入口は半分雪に埋まっていたので除雪が面倒なので小屋の裏で風をしのぐ。
南ルンゼ 左俣 ドロップ!


11時15分 上州仕込の山スキーヤーいけしゅんと2人 南ルンゼ左俣にドロップ。

彼はUターンで岡山に戻って来た。 素晴らしい仲間が増えてこれからが楽しみだ。
適度に緩んだ雪質で恐怖も感じなくて、

あっという間に左俣との出合、ブッシュ地帯へと滑り降りて、終了。
時間があれば池まで滑っていってもいいんだけど、これより下は滑りは楽しめないだろう。
シール装着して登り返す。


標高1030m付近
中間の尾根をトラバース気味にシールで登る
2本目は右俣に滑り込んだ

こっちは上や下から見たよりも中間部の地形が複雑で、コース取りを失敗して気持ちよく滑れなかった。
支尾根より右のコースを選べば楽しめたのに残念。
右俣上部を振り返る
南ルンゼ全容

手前が左俣で中央の尾根を挟んで奥が右俣




(男三瓶頂上台地から もりちゃん撮影

2度目の登り返しは前回のトレースを辿った
中央の尾根を登り返しているところ
1073m標高点


西ノ原への下山は1073m標高点から南の扇沢に合流する無木立の斜面を滑る。

地形図から下部に崖っぽい斜面が読み取れるが、
最悪ザイルもあるから何とかなるだろう
いけしゅんさん ドロップ


12時30分
もりちゃん
ブッシュ手前で振り返る
気持ち良いのはちょっとだけ、すぐ樹林になったが前半は疎林でまあまあ快適。
パワフルな いけしゅんさん
後半は側壁からのデブリで埋まった谷
涸滝出現

地形図で確認していた崖
極めつけは例の崖、20m位の二段の涸滝にぶつかった。

懸垂下降しようかと思ったが、左の尾根を越えて簡単に巻いて下れた


でも、急斜面なのでスキーを背負うとテールが雪に引っ掛かり難儀する。
勿論、雪は緩んでいるのでズボズボ靴は埋まるし・・

再びスキーを履いて滑って行く
扇沢に合流

この後、いくつか小さい堰堤を巻いて(ジャンプで超えれないことも無いでしょうけど)

13時30分 西ノ原 到着
西ノ原
GPS軌跡(赤線)


コンパクトながら、色々変化があり達成感も味わえた山スキーでした。



前に戻る