烏ヶ山 烏谷 滑降(下降) 「極めて危険」

【場所】鳥取県
【日時】2010年2月21日(日)
【コース】
奥大山場P(7:05)---鳥越峠(8:40)---烏ヶ山北峰手前1400m(11:15、撤退)---烏谷EP(11:35)---烏谷滑降---地獄谷との出合(15:20)---鳥越峠(17:10)---奥大山スキー場P(17:50)
【天気】曇り後晴れ
【メンバー】 いけしゅん、野人
【装 備】 いけしゅん バンディットB3・176cm、フリッチ・ディアミール エキスプローラ、ガルモント・アドレナリン
       野人     ダイナスター・LEGEND 4800 165cm、フリッチ・ディアミール エキスプローラ、ガルモント・Gライドg−fit

今回は完全にオーバーレベルの山行でした。
とんでもない所を下ってしまいました。
一歩間違えば、遭難でした。
運が良かったとしか言い様がありません。
無事下山はできましたが、かなり反省しています。
これは異常です。

鳥越峠から1330m峰を目指す
1330m峰

雪洞に泊まっていた人が居た様だ。
大山東壁はガスで全貌は見えなかった
1385m峰への登り


キリン峠で、いつも気になっていた白い斜面。
1385m峰から見た 「烏ヶ山 北面」


ここからアイゼン・ピッケルに切り替えての稜線歩き
地獄谷は水流が見える
烏谷 俯瞰
ローソク岩

木谷 俯瞰
カーラ谷にいつも滑り込む、北東稜線1300mピーク。

人がいるのが見える。
   
烏ヶ山 本峰

雪洞に泊まっていたパーティーがザイルを出して登っていた。
ブッシュに阻まれ、かなり苦労していた。
スキーを背負った我々はとうてい無理と判断して、登頂は諦める。


マウスポインタを合わせるとアップ
引き返して、本峰手前の1370m峰の手前の鞍部にて。
この鞍部から、烏谷に下降。
雪の状態を調べる為に懸垂下降で降下して、その下のブッシュ帯も越える。

新雪の下はアイスバーンだが、スラフが崩れるだけで表層雪崩の危険は少ないと判断できた。
北面で日射の影響を受けていなく気温も低いので新雪がそのまま保存されているのが良かった。

アイゼンからスキーに履き替え パウダーバーンに GO
この先切れ落ち、尾根通しには滑れない。

マウスポインタを合わせると稜線から見下ろし
リンクは底からの見上げ
北東壁 (全層雪崩がいつも起きている斜面)

1385m峰から北東に続く尾根
烏ヶ山 本峰
最初尾根の右側から横滑りで下降を試みたが、下は青氷と露岩のゴルジェで滑降不可能。
70度位で30mは落ちていた。ザイルの長さも足りそうになく懸垂下降も出来ない。
必死な思いでスキーからアイゼンに履き替えて登り返した。

尾根の左側も厳しいが、ロックバンドに一箇所弱点が有り、何とか滑り下りれそうだった。
こちらは最悪、懸垂下降でクリアできる。
新雪の下はアイスバーン
ロックバンドの弱点をクリア



段差はブッシュが出てスキーエッジが抜けるが、下の吹き溜まりへ思い切ってジャンプ。
下はパウダー
ロックバンドの唯一の弱点
底から見上げる 烏谷
地獄谷に合流
左岸に徒渉
夫婦滝
駒鳥小屋
今回はさすがに、駒鳥小屋からの登り返しはきつかった。


1385m峰から

今回の烏谷は恐らく「スキー初滑降」ではないか?と思うのだが、けして自慢できる様な内容ではなかった。
このラインを最初から研究して狙っていた訳ではなく、烏本峰を越えれなかったのでやむなく、行き当たりで突っ込んでしまったのが正直なところだった。
烏谷は前から目を付けてはいたが、安易に滑れる場所ではないのは過去の写真でも一目瞭然だった。
それなのに、上から見て行けると判断して行ってしまったのだった。
ザイルを持っていたのでいざとなれば懸垂下降で逃げればというのはあったが、長さは短く(30m ダブルで15m)実際は十分な装備ではなかった。
幸い無事に何とかラインを繋げ下る事ができたが、反省点がいくつもある山行だった。
小さなミスはあったが、それを引き金に取り返しがつかない致命傷へと繋がらなかった事が良かったとしかいえない。


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