焼岳 南峰 (2455m) 下堀沢スキー滑降

【山域】 北アルプス南部
【日時】 2006年 12月31日(日)
【コース】 釜トンネル入口〜中の湯温泉(中の湯新道)〜高天原〜下堀沢右岸尾根〜焼岳南峰〜下堀沢右岸尾根〜下堀沢〜梓川〜釜トンネル
【メンバー】 もりちゃん、野人
【装備】 もりちゃん サロモン・Scrmbler カスタム 165cm、フリッチ フリーライド、DYNAFIT TLT700
        野人 ダイナスター・LEGEND 4800 165cm、フリッチ・
ディアミール エキスプローラ、ガルモント・Gライドg−fit
【天気】 晴れ

年末年始に遠征して、北アルプス平湯温泉ベース(車中泊)で「焼岳」と「金山岩」を楽しんで来た。
28、29日にある程度積もったものの、現地に行ってみるまで状況が解らずのスタートだった。

31日 5時半、平湯温泉をタクシーで出発する。安房トンネルのタクシーの往復の通行料が含まれて釜トンネル入口まで片道4000円!
釜トン入口の臨時の山岳警備隊の詰め所で計画書を提出、気になる梓川の状態を尋ねる。
轟々と水が流れて渡渉できる状態では無いそうだ。
そうならば、中の湯温泉から安房峠途中からの中の湯新道の尾根から下堀沢右岸尾根に出て南峰を目指す事にした。前日に入山者が居るとの事だった。
下堀沢は雪に覆われ水流は出ていないらしいので、左岸末端から伸びる林道から橋に出て梓川は渡る事はできる。
雪の量次第で最悪は中の湯新道往復。状況次第で下堀沢または右岸尾根を梓川まで滑る事にする。  

  
7時、中の湯温泉。除雪はここで終わる。シールを付けてつぼ足のトレースを辿る。
7時50分、国道から中の湯新道の尾根に取り付く。傾斜もきつくジグきってシールで新たにラッセルをするよりつぼ足のトレースを利用して歩いた方が効率がいいので、スキーは背負う。
高天原手前にて前日の入山者と思われるテントが張ってあった。斜度も穏やかになってきたので重いスキーを下ろしてシールで歩く。断然早い。
しかし、同行のもりちゃんが大したことの無い場所で苦戦してシールで登れなくて時間と彼の体力が消耗する・・・

  
10時40分、高天原、焼岳が姿を現した。テンションが上がる。もりちゃんはバテ気味だが、この景色を見て気力は出たようだ。

  
上高地

つぼ足のトレースは尾根末端に進んでいたが、ブッシュが薄い開けた斜面をシールで登る。
下堀沢右岸尾根へ疎林斜面から登るが、今日は雪崩の危険を感じない雪質だった。
頂上付近を下っている、3人組の登山者が見える。尾根に登り上げて彼らのトレースと合流する。

  

遅れるもりちゃんを待ちながら登っているうち、3人組と交差。ラッセルのお礼を言う。リーダーらしき人は山スキーをしているとの事で今回は偵察で静岡から来たらしい。昨シーズンは2月に下堀沢を下ったと言われていた。
シールに不慣れなもりちゃんはアイゼンで歩くというので、先に進み途中からはクトーを装着。雪さえあれば今日は頂上までシールで登れる雪質だったが、岩まじりになってきたので自分もスキーを背負ってアイゼン、ピッケルに切り替える。

  
穂高岳 と 噴煙

おまけ

13時、焼岳南峰。最高の景色である。実は焼岳は夏にも登った事がなく初登頂だった。だから、今回雪が少なくても来てみたかったのだ。
スキーを途中でデポしてもりちゃんも登って来た。

お鉢(旧火口)と北アルプスの峰々  
笠ヶ岳

加賀白山

  
下りは尾根の西側の斜面をジャンプターンと横滑りを交えて滑った。見える石は避ける事はできるが雪に隠れた石は避けれない。
チューンナップ仕立ての板が・・・  岩交じりの滑れない場所は何度か外して持って下った。


下堀沢源頭のカール

右岸尾根下部はブッシュが激しくて難儀しそうだ。今日は雪崩の心配はまず無さそうなので下堀沢中央を梓川出合まで滑る事にする。

  

14時、可愛い雪庇を越えて沢中央部に向かった。側壁部分はモナカ雪で気持ちよくは滑れなかったが、底まで下りるとパウダーで最高だった。

  


  


  


  


梓川は見えているのだが・・
上からは梓川まで順調に滑れそうに見えたが、そうは問屋は卸さなかった。

完全に雪に覆われているように見えた斜面はクレパスに岩の凹凸、
堰堤に突っ込む危険そして高巻と緊張の連続だった。

側壁は急過ぎて雪は付いていないので雪崩は起こらないが、落石が来ないかと怖かった。

日陰になり、コントラストが解りずらく眼が見え難くて余計に恐怖心を増長させた。

段差にクレパス

 1m50ほど、飛び落ちた・・

1つ目の堰堤は左岸を巻いた

2つ目はデカクて底から右岸に登って、巻いて下った

ブッシュと石のアップダウンでスキーは進まず、シールを貼る。
土石流の監視カメラに出合って道らしくなってほっとした。下堀沢観測所の小屋から林道となって梓川の橋を目指す。

ワイヤーに吊られたケーブルが2本あるだけで橋が見つからず、中堀沢に向かう林道はあるものの迷ったが、地図をよく確認した所この辺りに間違いなく、吊りケーブルを一歩進むとそれは梓川では無くて枝沢で底を渡る事ができて向こうに橋が発見出来た。

16時、梓川橋
上高地公園線はしばらくシールで歩いて下りは外して、ハイカーを抜いて釜トンまでブッちぎって滑った。

17時、釜トン中の湯側、日没直前にもりちゃんも疲労困憊ながら気力で歩ききってくれた。

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