3日目 5月5日  黒部五郎岳 往復

4時半 双六小屋出発

前夜、行くかどうかかなり悩んだ。
体がかなり終了していて、夜中には頭痛にも悩まされ、予定コースタイムは11時間も有るのでもりちゃんと一緒に下山しようかとも思った。
果たし無事に日帰りできるだろうか・・・


行かないと、絶対に後悔すると思った。

「案じるより実行」 行ってしまいました。
早出して、昨日とは違い人間は誰にも会わない。
その代わりに雷鳥には何度も出会った。
黒部五郎岳へ向けて


6時 三俣蓮華岳

シールを外しカリカリの稜線を黒部五郎小舎まで滑る。
笠ヶ岳
6時25分 黒部五郎小舎到着

やはりスキーは早い、一般コースタイムの4分の1で三俣蓮華から来れた。
いっきに時間的に楽になって、気持ちも落ち着いた。

冬季小屋に何組か泊まっている人達が居た。

小屋で作って貰った弁当を食べて、6時50分 出発
薬師岳
小屋からの急坂はシールでは無理かと思えたが、クトーを兼用して難なく登れた。

終始 大カールを眺めながら、五郎頂上に向けて稜線を進む。
黒部五郎頂上へ
9時 黒部五郎岳到着

双六小屋から4時間30分、やっとここに辿り着いた。


意外にも誰も居ない。頂上をずっと独占する。
岩の上に寝転んで休んでいたが風が強く寒くなってきた。


水晶岳と雲ノ平

9時30分 頂上出発

肩まで稜線を滑る。

黒部五郎カールへ滑ろうとする2人組が見えた。
後程、黒部五郎小舎、双六小屋でもお話したが、立山からオートルートを進んで来られた京都のご夫婦でした。


自分はこの撮影場所から直にカールに滑り込んだ。

黒部五郎カール ドロップ

40度の斜面に滑り込んだ。
雪質はかなり緩んで、湿雪スラフが落ちまくる。
スラフを先行させ、足元をすくわれない様に注意して滑った。
斜度が緩んだカールの底で振返る。

今回は雪質が悪く「長年イメージしていた滑り」とは程遠く、
残念であったけど、充分な達成感は得る事ができた。
カールからこのまま五郎沢を黒部本流まで滑っていきたいけれど、
登り返しが大変なのでトラバースしていく。

長いトラバース

グサグサの雪になりスキーが走らない。
ストックで一生懸命漕いだ。
黒部五郎小舎まで戻る

9時50分


2時間かかった登りも滑れば20分だった。


シールを着けて三俣蓮華岳に登り返す。
ここからが今日の正念場だった。
三俣蓮華岳 11時50分到着 10分休憩する。

丸山の下りはシールを外して滑降、シールを装着して朝はパスした双六岳頂上へ登る。

双六岳 13時到着 13時20分出発


双六岳頂上からは稜線を滑って 

双六小屋 13時30分到着



双六小屋から黒部五郎岳まで 

9時間のスキー往復だった。



4日目 5月6日(最終日)


双六カール


6時20分 双六小屋出発

3日間朝一番に小屋から同じように双六岳の斜面を登った。
最終日は、頂上と南峰間のカールを滑る為に、トラバースせず頂上を目指した。

7時20分 双六岳到着
槍穂高のこのパノラマもこれで見納めだ。
今日まで天気が続いた事に感謝する。
30分休憩して、頂上を後に南峰間のコルまで滑る。

7時50分、双六カールにドロップ
今日の雪質は適度に硬くとても快適だった。
5月3日に弓折岳から写した 双六カール
常に槍穂高を見ながらの、最高の滑降だった。
双六沢出合

予定では正面の稜線に登って行きと同じ弓折岳経由で下山しようと考えていたが、今日は雪が比較的硬かったので大丈夫だろうと大ノマ乗越へ向かう。
双六沢は小屋から直に何人か滑って来ていた。
沢が右に曲がる地点で、左上方向の大ノマ乗越へ登る。


つぼ足のトレースがしっかりついていた。
斜度はきつく雪も硬くシールで登るのは効率が悪いと思ったので、
スキーを背負って登った。

今回、スキーを背負ったのは鷲羽の急斜面とここだけだった。

大ノマ乗越まで40分間の辛抱の登りだった。
9時20分 大ノマ乗越ドロップ

時間の経過もあるが、稜線の北と南では雪質が違い過ぎる。
大ノマの大斜面はグサグサの重い雪でどうにもならない。
沢中央は前に滑った人が耕して余計に滑り難い。
部分的にクラックも有り雪崩れた時を考え出来るだけ安全なラインを選んだが、
大ノマを選んだのは間違いだったと思った。
重た過ぎる雪に足が耐えれない。滑っても滑っても中々下に着けなく苦労の滑降だった。
雪質が良ければ、最高の斜面だと思うのだけど・・・

弓折岳経由の尾根を選んだ人達も、この雪質には苦労していた。
見ていて転倒者が続出だった。
左奥 大ノマ乗越

右  弓折岳への行きに登ったコース

これより下はデブリが激しく、これまた楽しめる事が出来た(笑)
秩父沢のデブリも激しいが、
道が出来て幾分滑り易くなっていた。

10時30分 わさび平小屋
やっとゆっくり出来る。
双六小屋で作ってもらった弁当がやっと食べれた。

林道はストックで漕ぎながらスキーを走らせた。
雪が途切れるところで、デポしていた軽登山靴履き替えて歩く。

11時30分 新穂高温泉到着


2006シーズン GW 山スキーは、
 予定のコースを順調に滑る事ができ、色んな人達にも出会えて、
 楽しい思い出いっぱいの、大満足の滑り収めになった。
 天気にも恵まれて感謝感激の毎日、本当にありがとう。

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