伯耆大山 二ノ沢 左俣 滑降

【山域】伯耆大山
【場所】鳥取県
【日時】2014年2月23日(日)
【コース】桝水原〜旧正面道〜弥山〜三角点〜二ノ沢(左俣)〜環状道路〜桝水原
【メンバー】ドロップ、野人
【装備】 野人 バンディットB94 リスペクト 168cm・ディアミール エキスプローラ・ガルモント・RADIUM、ドロップ 自作スプリットボード サロモン シックスティック160
【標高差・行程】 標高差1000m、約8km


先週ドロップさんが撮った南壁




本日のトラックログ


桝水原から直登

雪の状態は5〜10cmの新雪
先週の様な弱層は認められなかっった。





山頂大賑わい


稜線に沸くガス



ガスが引かないと無理と思っていたら、ガスが薄れてきた。


縦走路から二ノ沢(左俣)俯瞰

以前滑った右俣のレポ


三角点直下のドロップポイントに戻り
15m懸垂下降して雪の状態を最終チェック
1m近く掘り起こしたがやわらかい同じ雪が続き表層は雪崩れそうになかった
下の方は状態は変わり判らないが・・・












ギャラリーに見送られ ドロップさんドロップイン



先にドロップした私は数ターンしてストップ

雪の状態は金曜の10センチ弱の積雪層が場所によっては割れる

稜線下は吹き溜まって1m以上軟らかい雪が溜まっていたので、
15m程ロワーダウンしただけの位置での層の確認は不十分だった。









上の自分の写真3枚はko-さんから頂きました






彼自身が上で誘発したスラフがターンで回り込まんで追いつかれた。
足元を掬われて転倒、滑落して喉に消えて行った

浅いから大丈夫とは思ったが心配だ

点発生表層雪崩


自分も同じようにならないようにスラフから逃げながら彼を追い掛ける



喉を抜けると彼は無事に止まっていた!!





ドロップさんのヘルメット固定カメラ動画
















デブリランドへ




小石が混じる雪面















支尾根でレスト





左は弥山〜三角点 間の斜面で右が降りた斜面


弥山(頂上小屋)の下の斜面


かなり複雑な地形になっている












二ノ沢左俣は更に左俣・右俣に分かれている
滑り降りた三角点の斜面は右側
左は弥山(頂上小屋)下

去年上部のみ滑って登り返した頂上〜三角点斜面はやはり雪が繋がっていない

その左はかろうじて繋がってはいるが稜線から急斜面で落ちている


堰堤は全て完全に埋まっていた




本当に怪我が無かったから良かったが、急斜面滑降にスラフは避けては通れない。

100%のコンデション、まして限られた休日に中々恵まれるものではない。
今回は金曜日の降雪がマイナスポイントではあったが、10センチ程でありコンデション的には80%位だろうか。

あれより新雪が厚かったり下に顕著な弱層があればアウトだが、今回アタックした事自体は間違いとは思っていないです。


ドロップさんのレポ



帰りの蒜山SAから




記録文

桝水スキー場の駐車場で車中泊して朝起きると、大山頂上部は厚い雲に覆われていた。
ガスが薄れるのを待って、8時前の遅めのスタート。

スキー場からほぼ旧正面道沿いに登る。樹林を抜けてシールが滑り始めたのでアイゼン歩行に移り、直登する。

金曜日の新雪が10cm弱積もっているが、雪自体も柔らかく下層との結合もそれ程悪くない。
16日に東の一の沢の右岸を登った時の様に板状で割れることもなく、雪崩に関しては一安心だ。

40度近くの斜度をスキーを背負ってひたすらアイゼンで登るのは疲れる。

頂上台地に到達すると、一般夏山登山道に大勢の登山者が連なっているのが今日も見える。

始め、弥山から剣ヶ峰へ続く主稜線から南壁側へガスが湧いていたが、徐々に薄れてき た。
縦走路を三角点から少し進み、雪庇の切れ間で目的の斜面を覗き込み雪が繋がっているの を目視する。
三角点ピークまで戻り、万が一の時に懸垂する為に昨日慌ててこしらえたばかりのアルミ の廃材アングルのスノーバーとピッケルで支点を取って、雪庇下へ15mロワーダウンして雪を掘り起こすが、吹き溜まりなのか1m位掘り進んでも柔ら かい雪が続いた。
これだけドタバタしても周 りの雪も崩れないので、上部は大丈夫だと判断した。

ガスが晴れて気温が上が り、一気に雪も緩んできたので急いで滑降準備をする。
念の為、スノーバーとロープは直ぐに取り出せるようにパッキングした。

12時、弥山三角点からラクダ側、二ノ沢左俣ドロップ。
最初に自分が滑り出して数ターンして立ち止まる。
50mほど下で若干モナカ気味の表面の層が、板状まででは無いがレンガ大で割れる。
下の急斜面で湿雪スラフに難儀しそうだ。

ギャラリーに見送られ、スプリットボードのドロップさんも快調に滑り出した。
しかし、急斜面に差し掛かる手前で気合が入り過ぎて連続ターンしたのが仇にな
り彼自身 のスラフに巻き込まれ転倒、滑落して喉に消え落ちていった。
浅い層なので大丈夫とは思うが・・・
彼が起こした点発生表層雪崩で掃除された硬いバーンの中を、安全第一で横滑りで追い掛けた。

喉を抜けると無事に止まっているのが確認できて、ほっとした。

この後は50度前後の急斜面のルンゼをジャンプターンと横滑りを交えて高度を落とすだ け。

周囲の景色は小石を積み固めた様な異様な岩峰になど、圧倒されたる。
その下は雪に石が所々混じっていたが、板を傷める程の量ではなかった。

右岸の支尾根に乗り上げレストしながら、滑ったラインの確認と隣のルンゼの観察を行っ た。
去年登り返した隣の斜面は、やはり下は崖で雪が繋がっていなかった。

ルンゼを抜けると自分らの造ったデブリランドに到着。
デブリ末端下の島の様な部分(ガレの扇状地)に乗り上げて、遅めの昼食。
朝から水分だけしか今日は取っていなかった。

下部の堰堤は全て埋まり、環状道路まで緩斜面を快適に流した。

環状道路からほんの一部分ストックで漕ぐだけの緩斜面の滑り15分で、13時桝水原スキー場に到着。


前に戻る